はじめに
暗号資産といえば「ビットコイン」が有名ですが、それに次いで知名度が高いのが「イーサリアム(Ethereum)」です。
名前は聞いたことがあっても、「ビットコインとどう違うの?」「どんな特徴があるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
この記事では、イーサリアムの基本的な仕組みと、ビットコインとの違いについて、初心者向けにわかりやすく解説します。

ビットコインとイーサリアムの違い
項目 | ビットコイン(BTC) | イーサリアム(ETH) |
---|---|---|
目的 | デジタル通貨(送金・価値保存) | 分散型アプリ(DApp)や契約の実行 |
開発開始 | 2009年 | 2015年 |
発行上限 | 2,100万枚 | 上限なし(ただし年々調整) |
スマートコントラクト | 非対応 | 対応(強力) |
主な用途 | 投資・送金 | NFT・DeFi・DAO などの基盤 |

例えてみるとこんな感じです
✔ ビットコイン:価値を保存・移動する「デジタルゴールド」
ビットコインは「電卓アプリ」のようなもので、送金というひとつの機能に特化。
✔ イーサリアム:契約やアプリを動かせる「分散型インターネットの土台」
イーサリアムは「スマホ本体」に近く、送金だけでなくゲーム、SNS、金融サービスなど無限にアプリ(=スマートコントラクト)を追加できる。
イーサリアムとは?

2013年、カナダ在住のロシア系青年ヴィタリック・ブテリン(当時19歳)は、ビットコインの技術は画期的だったが、「お金の送受信」しかできない仕様に限界を感じていました。
「ブロックチェーンをもっと汎用的にして、誰でも自分のルールでアプリを作れるようにできないか?」と考え、2015年にイーサリアムは誕生しました。
イーサリウムは、アプリを動かすプラットフォームとして使えるブロックチェーンで、その中で使われる通貨が「イーサ(ETH)」です。
スマートコントラクトとは?

イーサリアムが持つ最大の特徴が「スマートコントラクト」です。
これは、条件を満たしたら自動で契約を実行するプログラムのことで、人の手を介さずに安全・迅速なやり取りが可能になります。
例えるなら自動販売機のようなものです、お金を入れたら、自動でジュースが出ますよね。
これも人を介さず、条件が満たされたら必ず実行される仕組みです。
スマートコントラクトはこの自販機をデジタルで、しかも世界中で使えるようにしたものです。
たとえば:
- NFTの発行や売買
- 暗号資産の自動レンディング(貸し出し)
- ゲーム内通貨の管理
など、さまざまな分野に応用されています。
イーサリアムの使い道
イーサリアムは、単なる「通貨」ではなく、ブロックチェーン上でさまざまなサービスを提供するプラットフォームです。
主な用途としては以下のようなものがあります
- NFT(非代替性トークン)の発行・売買
デジタルアートやゲームアイテムの売買を、自動的に安全に実行。 - DeFi(分散型金融)での運用・貸し借り
取引所を介さずに、ウォレット同士で自動売買や貸し借りが可能。 - クラウドファンディング
目標金額が集まれば資金を渡し、達成しなければ自動返金。 - ゲームやアプリでのトークン利用
ゲーム内のお金やアイテムを、ブロックチェーン上で管理して自由にやりとりできる
これらのほとんどが、イーサリアムのスマートコントラクト機能を活用しています。
イーサリアムの将来性と課題

将来性
スマートコントラスト「条件を満たしたら自動で実行される契約(プログラム)」は、「信頼できる第三者をなくしても、約束を確実に守れる仕組み」です。
今はまだ発展途上ですが、金融・法律・物流・ゲームまで巻き込む大きなインフラになる可能性があります。

将来どうなりそう?
- 行政手続きの自動化
例:税金や補助金の自動処理 - グローバルなビジネス契約の標準化
言語や国をまたいだ契約でも共通の仕組みで動かせる - 「信用」の形が変わる
個人や企業が、銀行や政府に頼らず信用を証明できる社会になるかも
課題
1. 手数料(ガス代)が高い
・イーサリアムで取引やスマートコントラクトを動かすと「ガス代」という手数料がかかります。
・取引が集中すると、手数料が高騰してしまう。
2. スケーラビリティ(処理能力)の問題
・イーサリアムは1秒間に処理できる取引の数が少ない(約15〜30件)。
・取引が増えると遅くなるし、手数料も上がる。
3.他の「第2世代・第3世代ブロックチェーン」との競争が激化
・第2世代ブロックチェーン=イーサリアムが代表
→ スマートコントラクトで応用が広がった
・第3世代ブロックチェーン=例:Solana、Polkadot、Cardano
→ 高速で安い手数料、スケーラビリティ重視、クロスチェーン対応も進む
まとめ
イーサリアムは、ビットコインと並ぶ暗号資産の代表格ですが、目的や仕組みはまったく異なります。
ビットコインが「価値を持つ通貨」なのに対し、イーサリアムは「アプリやサービスを動かす基盤」としての役割が大きいのです。
投資対象としてだけでなく、NFTやDeFiなど新しい分野に触れてみたい人にとって、最初に学ぶべき通貨の1つと言えるでしょう。